微量硫化水素除去装置

微量硫化水素除去装置

石油製品等に含まれる微量な硫化水素を除去する確実で安価な装置です

石油製品などに含まれる微量な硫化水素

ガソリンなどの精製過程において、数ppm程度の硫化水素が含まれることがあります。

従来の硫化水素除去技術

一般に石油製品等から硫化水素を取り除くには、ストリッパー等によって硫化水素を分離したあと、クラウス反応によって単体硫黄とする方法があります。しかし、この方法は高温、高圧の複雑なプロセスで、設備が高価で運転コストもかかります。

IHテクノロジーの技術

IH-硫化水素除去装置は、石油製品等にごく少量含まれる硫化水素を常温・常圧下で除去可能な、安価で、シンプルなプロセスというコンセプトを目標として開発されました。
開発は、まず計算化学により、多種類の金属を活性炭に担持したモデルを構築し、最適な組み合わせを探索しました。その結果、活性炭にある種の遷移金属酸化物を担持させる方法により、所期の目標を達成できる吸着剤を数種類見出しました。
その後、カラム装置により硫化水素除去性能の最適な組み合わせを選択したあと、実際に国内で稼働している改質ガソリン製造装置を用いて大規模な実験を行って、微量硫化水素除去性能の確認を行いました。
この結果、硫化水素を0.05ppm以下まで除去できることを確認し、極めてシンプルな微量硫化水素除去技術を確立しました。

IH微量硫化水素除去装置の特徴

・石油製品に含まれる微量の硫化水素を、前処理なしで目標0.05ppm以下まで除去できる
・設備は吸着剤を充填するベッセルを新設だけ、あるいは既存の不飽和炭化水素除去ベッセルに硫化水素吸着剤を充填するだけなので、設備コストが非常に安価
・電気、スチーム、工業用水等のユーティティが不要なので、運転コストがかからない
・硬度の高い活性炭を使用しているため、自重による破壊が少なく、差圧が立ちにくい
・吸着剤の寿命は長く(交換頻度は吸着剤充填量によります)、使用後の吸着剤は一般産業廃棄物として処理することができます

実績

2016年から愛媛県の製油所で1号機が稼働。その後、同製油所で2号機、3号機が稼働しています
2017年から千葉県の製油所で1号機、2号機が稼働しています
これらの装置はいずれも順調に稼働しています。

1号機の外観(愛媛県)

本技術の適用

改質ガソリン中の微量硫化水素の除去従来の硫化水素ストリッパーの代わりに本技術を適用することが検討中
硫黄運搬船から発生する硫化水素の除去に本技術を適用することが検討中

受賞歴

2019年に石油学会により技術進歩賞を受賞
2019年に愛媛県から水銀除去装置と硫化水素除去装置が同時に「愛媛県スゴ技」に認定